サッカー中継を見ていると、試合の途中で選手がベンチ付近へ集まり、水を飲む場面があります。
2026年のワールドカップでは、この時間が「ハイドレーションブレイク」と呼ばれ、前半と後半にそれぞれ3分間設けられました。
私も中継を見ながら、単なる給水時間なのか、それとも新しいサッカーのルールなのかが気になりました。
調べてみると、ハイドレーションブレイクは選手が水分を補給するだけの時間ではありません。
暑さへの対応、休息、体温管理を目的としており、監督が選手に戦術的な指示を伝える時間としても使われます。
この記事では、ハイドレーションブレイクとは何か、なぜ3分間設けられるのか、飲水タイムやクーリングブレイクとの違いを分かりやすく解説します。
ハイドレーションブレイクとは?
ハイドレーションブレイクとは、試合中に選手が水分を補給し、身体を休めるために設けられる中断時間です。
英語の「hydration」には、水分を補給することや、身体に必要な水分を保つことという意味があります。
サッカーでは試合が始まると、基本的に前半45分、後半45分を続けてプレーします。
しかし、気温や湿度が高い環境では、選手が大量の汗をかき、身体への負担が大きくなります。
そこで試合の途中にプレーを止め、選手が水分を取ったり、身体を冷やしたりする時間が設けられます。
2026年ワールドカップでは、ハイドレーションブレイクが全試合で実施されました。
2026年ワールドカップでは何分間実施された?
2026年ワールドカップのハイドレーションブレイクは、1回につき3分間です。
前半に1回、後半に1回設けられました。
実施される時間の目安は、前半22分と後半67分です。
後半67分は、後半が始まってから約22分が経過した時間にあたります。
実際にプレーが続いている場合は、審判が安全に中断できるタイミングを見て試合を止めます。
時計が正確に22分になった瞬間、必ずボールが止められるという意味ではありません。
FIFAは、2026年大会で全試合に3分間のハイドレーションブレイクを導入すると発表しました。
なぜすべての試合で実施された?
これまでの給水休憩は、気温や湿度が一定の基準を超えた場合に実施されることが一般的でした。
一方、2026年ワールドカップでは、気温や天候にかかわらず、原則としてすべての試合でハイドレーションブレイクが実施されました。
屋根のあるスタジアムや、冷房設備が使われている会場も対象です。
大会の開催地はアメリカ、カナダ、メキシコの3か国で、地域や時間帯によって気候が大きく異なります。
FIFAは条件を試合ごとに変えるのではなく、全試合に同じ休憩を設けることで、選手の安全と大会運営の公平性を確保しようとしました。
また、2026年大会は出場国が48か国に増え、優勝までに多くの試合を戦うチームもあります。
短期間に試合が続く選手の負担を軽減することも、導入理由の一つとされています。
ハイドレーションブレイクの主な目的
ハイドレーションブレイクの目的は、大きく分けて水分補給、休息、身体を冷やすことです。
水分を補給する
サッカーでは試合中に自由にベンチへ戻ることができません。
選手はピッチ脇に置かれたボトルから水を飲むこともありますが、プレーの展開によっては十分な水分を取れないことがあります。
ハイドレーションブレイクでは、両チームの選手が一度ベンチ付近へ戻り、落ち着いて水分を補給できます。
身体を休める
高い強度で走り続けるサッカーでは、数分間の休息でも選手の負担を軽くできます。
特に気温や湿度の高い試合では、走る距離だけでなく、身体が熱を外へ逃がすための負担も増えます。
3分間の中断は、呼吸を整え、次のプレーに備える時間になります。
身体を冷やす
選手は水を飲むだけでなく、冷たいタオルや氷、冷却用のベストなどを使って身体を冷やすことがあります。
そのため、ハイドレーションブレイクは単純な飲水時間というより、身体の状態を整えるための休憩と考えた方が分かりやすいでしょう。
なぜ休憩時間は3分間なの?
3分間という時間は、水分を飲むだけなら長いようにも見えます。
しかし、実際には両チームの選手がピッチからベンチ付近へ移動し、水分を取り、身体を冷やし、再び所定の位置へ戻る必要があります。
1分程度では、選手全員が十分に休息するのは難しいでしょう。
一方、休憩が長すぎると、サッカーの試合の流れが大きく途切れます。
3分間は、選手の安全を確保しながら、競技への影響を抑えるために設定された時間だと考えられます。
ただし、3分間の中断が試合のリズムを変えるとして、選手や監督、ファンから賛否の声も出ています。
ハイドレーションブレイク中に監督は指示できる?
ハイドレーションブレイク中は、監督やコーチが選手へ指示を伝えることができます。
選手はベンチ付近に集まるため、フォーメーションの修正や守備の確認、攻撃の狙いなどを話す機会になります。
そのため、実質的な作戦タイムのように使われることもあります。
サッカーには、バスケットボールやバレーボールのように、監督が自由に要求できるタイムアウトがありません。
ハイドレーションブレイクは選手の安全を目的とした制度ですが、結果として監督が試合途中に全員へ指示を伝えられる時間にもなっています。
私が中継を見ていて印象に残ったのも、選手が水を飲むだけでなく、監督の周りに集まって話を聞いていた点でした。
中断した3分間は試合時間に含まれる?
ハイドレーションブレイク中も、試合の時計表示は進む場合があります。
ただし、中断した時間は前半または後半の終了時に、アディショナルタイムとして追加されます。
前半に3分間のハイドレーションブレイクがあれば、その分を含めて前半終了時の追加時間が長くなります。
後半も同様です。
そのため、ハイドレーションブレイクがある試合では、アディショナルタイムが通常より長く表示されることがあります。
休憩を実施した3分間が、そのまま試合時間から失われるわけではありません。
ハイドレーションブレイクと飲水タイムの違い
ハイドレーションブレイクと飲水タイムは、どちらも選手が水分を補給するための時間です。
日本のサッカー中継や学校の試合では、「飲水タイム」という言葉が広く使われています。
一方、国際大会では「ハイドレーションブレイク」と呼ばれることがあります。
実際には、大会や競技団体によって名称や細かな運用が異なります。
そのため、完全に別の制度と考えるより、どちらも選手の水分補給や安全確保を目的とした休憩の呼び方と理解するとよいでしょう。
2026年ワールドカップでは、FIFAが公式にハイドレーションブレイクという名称を使っています。
クーリングブレイクとの違い
ハイドレーションブレイクと似た言葉に、クーリングブレイクがあります。
一般的には、ハイドレーションブレイクは水分補給、クーリングブレイクは身体を冷やすことを重視した休憩と説明されます。
ただし、実際の試合では、水を飲みながら身体も冷やすため、両者の目的は重なります。
大会によってはクーリングブレイクと呼ばれ、別の大会ではハイドレーションブレイクや飲水タイムと呼ばれることもあります。
名称だけで厳密に区別するより、各大会のルールを確認することが重要です。
選手は何を飲んでいる?
ハイドレーションブレイクでは、水やスポーツドリンクなどが用意されます。
何を飲むかは、選手やチームの方針、試合環境によって異なります。
選手ごとに専用のボトルが用意されていることもあります。
ただし、すべての選手が同じ量や同じ種類の飲料を飲むわけではありません。
試合前やハーフタイムを含め、チームのスタッフが選手の状態に合わせて水分補給を管理しています。
ハイドレーションブレイクで試合の流れは変わる?
ハイドレーションブレイクは、試合の流れを変える可能性があります。
攻め続けていたチームにとっては、中断によって勢いが止まることがあります。
反対に、押し込まれていたチームにとっては、守備を立て直し、選手同士で確認する時間になります。
監督が具体的な指示を出せるため、休憩後に戦い方が変わることもあります。
このため、安全面では必要だと評価される一方で、サッカーの連続性や試合のリズムを損なうという意見もあります。
FIFAは大会終了後、今後も同じ方式を続けるか検証する方針を示しています。
広告を入れるための休憩なの?
ハイドレーションブレイクについては、テレビ広告を入れるためではないかという見方もあります。
実際、一部の国のテレビ中継では、中断時間中に広告が放送されました。
しかし、FIFAはハイドレーションブレイクについて、選手の安全や休息を目的とした制度だと説明しています。
FIFA側は、休憩を導入したことで追加の広告収入を得ているわけではないという趣旨の説明もしています。
一方で、放送局にとって広告を入れやすい時間になっていることは事実です。
制度の目的と、放送局による時間の利用は分けて考える必要があります。
2026年ワールドカップだけのルール?
全試合で前後半に3分間ずつ実施する方式は、2026年ワールドカップで採用された大会独自の運用です。
サッカーのすべての試合で、必ず同じ時間にハイドレーションブレイクを行うわけではありません。
国内リーグや別の国際大会では、気温や湿度などを確認したうえで実施する場合があります。
休憩時間や実施条件、使用される名称も大会によって異なります。
2026年大会の運用が、今後ほかの大会や各国リーグへ広がるかは、現時点では決まっていません。
まとめ
ハイドレーションブレイクとは、サッカーの試合中に選手が水分を補給し、休息や身体の冷却を行うための中断時間です。
2026年ワールドカップでは、天候や気温にかかわらず、全試合で前半と後半に1回ずつ実施されました。
休憩時間は各3分間で、前半22分と後半67分ごろが目安です。
中断した時間は、各ハーフ終了時のアディショナルタイムに加えられます。
また、休憩中は監督が選手へ指示を出せるため、選手の安全を守るだけでなく、試合の流れや戦術にも影響する可能性があります。
飲水タイムやクーリングブレイクと目的はよく似ていますが、名称や細かな運用は大会によって異なります。
ハイドレーションブレイクは、暑さの中で戦う選手を守るために導入された一方、サッカーの流れを変える制度としても注目されたといえるでしょう。


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