家事を頼むのが苦手で、夜にひとりで抱え込んでいた
40代になってから、仕事と家のことの両立がだんだんきつくなってきました。
若い頃より体力が落ちたというのもあるかもしれませんが、それ以上にしんどかったのは、家の中のことを常に自分が気にしている状態でした。
仕事が終わって帰宅して、夕飯を作って、食べ終わったら片づけ。
洗濯物を取り込んで、明日の準備をして、ゴミの日ならゴミもまとめる。
家族が何もしていないわけではないのですが、なぜか「次に何をするか」を考えているのは、いつも私だけのような気がしていました。
特につらかったのは、平日の夜です。
夕飯を食べ終わったあと、家族がリビングでテレビを見たりスマホを見たりしている横で、私は台所に立って食器を片づけている。
洗濯機が終わった音が鳴れば、また立ち上がって洗濯物を出す。
明日の朝に必要なものがないか確認して、キッチンのシンクを見て、床に落ちているものを拾って。
そのたびに、「これ、誰かやってくれないかな」と思うのですが、口に出すのが苦手でした。
家事をお願いできない理由は、頼む前に考えすぎてしまうことだった
頼めばいいのは分かっています。
でも、頼むにも気を遣います。
「今お願いして嫌な顔をされたら面倒だな」「説明するくらいなら自分でやった方が早いな」「言い方がきつくなったら嫌だな」と考えているうちに、結局自分で動いてしまう。
そして全部終わったころには、もうぐったり。
家族に対してイライラしている自分にも落ち込むし、「うまく頼めない私が悪いのかも」と思って、さらにモヤモヤしていました。
夜の家事をラクにするために始めた2つの工夫
そんな状態を少し変えたくて、最近始めたのが「お願いの固定フレーズ化」と「夜家事の閉店時間」です。
最初は大げさなことをするつもりはありませんでした。
家族会議を開いて、家事分担表を作って、きっちり役割を決めて……というのは、正直ちょっと気が重かったからです。
以前も似たようなことをしたことがありましたが、最初だけで続かなかった経験もありました。
なので今回は、もっと小さく始めることにしました。
家事を頼む言い方を固定フレーズにした
まず決めたのは、頼むときの言い方を毎回考えないことです。
私が使うようにしたのは、たった3つの形です。
「私は今から〇〇をするから、△△をお願い」
「今日は疲れているから、□□だけお願い」
「21時15分で家事を閉めたいから、それまでに△△をお願い」
これだけです。
最初に使ったのは、夕飯後でした。
いつものように食器がテーブルに残っていて、私は台所に立とうとしていました。
そのとき、いつもなら無言で片づけ始めるところを、一度だけ深呼吸して言ってみました。
「私は洗濯を回すから、食器をシンクまで下げるのお願い」
言ったあと、少しドキドキしました。
嫌な顔をされるかな、面倒くさそうにされるかなと思っていたからです。
でも意外にも、家族は「あ、分かった」と普通に動いてくれました。
拍子抜けするくらい普通でした。
それまで私は、頼むことをすごく大きなことのように感じていたのだと思います。
もちろん毎回すんなりいくわけではありません。
返事だけしてなかなか動かないこともあります。
でも、言い方を決めておくと、こちらも感情的になりにくいのです。
「まだやってないの?」ではなく、
「21時15分で閉めたいから、先に食器だけお願いね」
と言えるようになりました。
夜の家事に閉店時間を作った
この「閉店時間」も、私にはかなり効果がありました。
以前の私は、家事が全部終わったら休む、という考え方でした。
でも家事って、全部終わることがほとんどありません。
食器を片づけても、洗濯物がある。
洗濯物をたたんでも、明日の準備がある。
明日の準備をしても、キッチンの汚れが気になる。
終わりがないから、休むタイミングもないのです。
そこで私は、平日の夜は21時15分を目安に「家事閉店」にすることにしました。
最初は少し不安でした。
中途半端な状態で休むなんて、なんだか落ち着かない気がしたからです。
でも、やってみると不思議なことに、「21時15分までに終わる範囲でやればいい」と考えるようになりました。
たとえば、全部の洗濯物をたたむのは無理でも、タオルだけたたむ。
食器を全部洗えなくても、食洗機に入れるところまでにする。
明日の準備も、完璧に整えるのではなく、最低限必要なものだけ確認する。
そして時間が来たら、いったん座る。
たったそれだけなのに、気持ちがずいぶん違いました。
家事の閉店時間で休む罪悪感が減った
特に大きかったのは、「休むことに理由をつけなくていい」と思えるようになったことです。
今までは、休むたびにどこかで罪悪感がありました。
「まだ洗濯物が残っているのに」「シンクがきれいになっていないのに」と、自分で自分を責めていました。
でも、閉店時間を決めてからは、「今日はここまで」と言いやすくなりました。
家族にも、「平日は21時15分くらいで私はいったん閉店するね」と伝えました。
最初は少し照れくさかったですが、言ってしまえば案外あっさりしたものでした。
もちろん、それだけで家族が急に完璧に動くようになったわけではありません。
今でも私の方が気づくことは多いですし、つい先回りしてしまう日もあります。
でも、前よりは確実にラクです。
家事を頼むコツは、短く具体的に伝えることだった
一番変わったのは、私の中の「全部自分でやらなきゃ」という感覚が少しゆるんだことです。
お願いするときも、相手を責めるのではなく、短く具体的に伝えればいい。
休むときも、全部終わったかどうかではなく、時間で区切っていい。
それが分かっただけで、夜の家事に追われる感じが少し薄くなりました。
最近では、夕飯後に「私はお風呂の準備をするから、テーブルだけ片づけてくれる?」と自然に言える日が増えました。
以前の私なら、心の中でモヤモヤしながら黙って片づけていたと思います。
家族の反応も、思っていたほど悪くありませんでした。
むしろ、具体的に言った方が動きやすそうです。
「手伝って」だけだと何をすればいいのか分からなかったのかもしれません。
こちらとしては「見れば分かるでしょ」と思っていたけれど、相手には見えていなかったのだと思います。
それに気づいてから、少しだけ気持ちが軽くなりました。
私が全部を察して動く必要はない。
家族にも、見える形で渡していけばいい。
お願いすることは、わがままではなく、家を一緒に回すための連絡なのだと思えるようになりました。
家事をひとりで抱え込まないために、完璧な分担を目指さない
同じように、仕事も家のことも抱え込みがちな人は多いと思います。
特に共働きだと、外では仕事、家では家事や段取りで、気づけば一日中ずっと何かに追われているような気持ちになります。
でも、いきなり完璧な分担を目指さなくてもいいのだと思います。
まずは、頼む言葉を決めておく。
夜の家事に閉店時間を作る。
この2つだけでも、かなり違います。
「私は今からこれをするから、これをお願い」
「今日は疲れているから、これだけお願い」
「この時間で家事を閉めたいから、それまでにお願い」
このくらい短くていいのだと思います。
頑張っている人ほど、休むことが下手になってしまうのかもしれません。
でも、家族のために動き続けるには、自分がちゃんと座る時間も必要です。
最近の私は、21時15分を過ぎたら温かいお茶を入れて、少しだけソファに座るようにしています。
部屋が完璧に片づいていない日もあります。
洗濯物が少し残っている日もあります。
でも、それでもいいと思える日が増えました。
家事は毎日続くものだからこそ、頑張りすぎない仕組みが必要です。
私にとって、「お願いの固定フレーズ」と「夜家事の閉店時間」は、家族を変えるためというより、自分を追い込みすぎないための小さな支えになりました。
これからも完璧にはできないと思います。
でも、ひとりで抱え込む夜を少しずつ減らしていけたら、それだけで十分大きな変化だと感じています。


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